※過去の「庭園協会ニュース」より抜粋したコラムをお届けします。 
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【庭園協会ニュース67号掲載】
鑑賞会 秋季見学会 【神代植物公園・滄浪泉園・殿ヶ谷戸庭園】
藤枝 修子


平成23年10月26日(木)8時50分、新宿西口に参加者28名が集合し、晴天のもとで「国分寺崖線・湧水と庭園」をテーマに神代植物公園・滄浪泉園・殿ヶ谷戸庭園の見学会をスタートした。バスの中で、河原武敏氏により見学先の説明が行われた。東日本大地震の影響で、今回は都内の見学先が選ばれた。

〈神代植物公園・高橋康夫園長の解説で園内を回る〉

開園50周年の東京都立神代植物公園に着き、高橋康夫園長に迎えられた。植物会館で公園の全体的な説明を受けた。東京の街路樹などを育てる苗圃であったが、戦後、神代緑地として公開された。昭和36年に神代植物園に 名称変更、都内唯一の植物公園として 開園。約4800種類、10万本・株の樹木が植えられ、種類ごとに30ブロックに分けてある。

〈殿ヶ谷戸庭園・紅葉亭からの眺め〉

さつき・菊の盆栽、色鮮やかなダリア園と香しいバラ園をめでながら広大な園内を散策した。続いて隣接する深大寺(天台宗別格本山浮岳山昌楽院深大寺)に参拝した。本堂は平成15年に改修され、ご本尊の阿弥陀如来は鎌倉時代前期の作。昼食には会席料理で深大寺そばをいただいた。そばの由来は、米の生産に向かない土地がらから、江戸時代にそばを栽培して寺に納めたとのこと。

〈神代植物公園・バラ園、大温室を背景の参加者〉

昼食後、バスで小金井市滄浪泉園へ。 国分寺崖線崖下の砂礫層から湧き出る地下水(はけ)が何箇所かあり、鬱蒼とした樹木に囲まれた池の水は野川に至る。園内に水琴窟もある。明治・大 正期に活躍した波多野承五郎(雅号・古渓)の別荘であり、大正8年犬養毅元首相がこの庭に遊び、命名した。


見学地最後の殿ヶ谷戸庭園(国指定名勝)へ。JR中央線の国分寺駅南口前に位置し、武蔵野固有の自然地形「谷戸」を利用した庭園として昭和54年4月に開園した。大正2〜4年江口定條(旧満鉄副総裁)の別邸として建てられ、昭和4年岩崎彦太郎(旧三菱財閥)、昭和49年東京都が買収した歴史がある。国分寺崖線の崖上の平地は芝生地、崖下の湧水を利用した渓流と池を巧みに調和させた林泉回遊式庭園である。園内には、大正から昭和初期の特徴をもつ和洋折衷式の別荘建 築物(現在は管理事務所に使用)と茶室の紅葉亭がある。

高層建築物に囲まれながらも、地域住民や関係者が守りぬいて生き続ける都会の庭園に、その重要性を痛感した。陽も傾き、予定の見学を終えて、満ち足りた気持ちで帰途についた。


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